スマホはとても便利でいまやなくてはならないものになりつつあります。中高生のほとんどが自分のスマホを所有しているという時代。片時もスマホを離さないという子供も増えてきているといいます。
中高生は思春期、反抗期でただでさえ口数が減ったりしやすい年代です。スマホのおかげで余計に家族の会話が減ってしまった!と感じているご家庭も多いのではないでしょうか?
どうすれば良い家族関係を保ちながら対面会話がちゃんとできる家族になれるのか?!スマホを取り上げるわけにもいかないし…。と多くの方が直面するこのスマホの問題について考えてみたいと思います。
目次
最近家族と「対面での会話」していますか?
家族で会話をするなんて事は、私が子供の頃は当たり前の事でした。携帯電話が今ほど普及していない時代、確認が必要な事も口頭が主体でしたので、必然的に会話が多くなったという背景もありました。
でも、今の時代は違います。スマホという便利なものがあるおかげで、良くも悪くも必要事項をスマホで伝える事ができてしまうのです。その状況が思春期や反抗期のただでさえ口数が少なくなる時期と重なるとどうなるか…想像するのは簡単な事ですね。
スマホ時代から見えてくる家族の変化
『ネット社会の親子関係に関する意識調査(国立青少年教育振興機構)』によると、「家族と一緒にいても各自がスマートフォンや携帯電話を操作している」と答えた日本の小中学生が4人に1人という結果に。
これは調査をした日本、米国、中国、韓国の4ケ国中、最も割合が高いという結果でした。これは、2番目に多かった米国の約2倍とずば抜けて日本が高かったのです。
確かに、飲食店に行って食事が運ばれてくるまでの待ち時間周りを見渡すと、各々スマホを触っている風景を多く見ます。これが家の中でも同じ風景となると、親子や家族の会話の減少は明らかですよね。
また、同調査で「SNSを利用して親とコミュニケーションをよくしている」と答えた日本の中学生が4人に1人と多かった事にも注目です。これは、逆に言うと対面での会話の時間や機会が奪われ、SNSなどに移行しているという事が言えるのではないでしょうか。
時代の変化に対応して使いこなすことは良い事ですが、これは個人的にはあまり喜ばしくないと思ってしまいます。けれど、どうも日本の大人は自分もスマホに依存している傾向があるのか、と思えるような状況が見え隠れします。
「ネット社会の危険などについて親からほとんど注意されない」の問いには約3割がYES回答で、日本が一番高かったというのもそういったところからではないでしょうか。とはいえ、「親とはSNSや電話より直接話す方が好き」という回答は8割にのぼる事に胸を撫で下ろしました。本当は対面での会話を子供達は望んでいるのです。
参考産経新聞
親のスマホ使用に関する江崎グリコの調査でも、実に65%もの人が「子供と対面で話す時間以上にスマホを利用している時間が長い」と回答したというから、これも時代なのかな?と思いつつもショックを隠せません。でも、これが今の時代の実情なんです。
また、「自分が子供だった時より子供との会話が減っていると思うか」という調査でも、約6割がそう思うと回答しています。やはりその背景にはスマホの影響が大きいようです。
参考アスレシピコラム
これらの調査から見え隠れするのは、子供がスマホばかりで親と話をしないという構図もありますが、原因は親の方にあるという事実です。
もちろん、子育て中子供の事は親の責任なのですが、親の方もスマホの影響を強く受け、会話を減らすような状況を作ってしまっているのではないでしょうか。
放置しておくと、どんどん会話が減っていってしまうのは目に見えています。子供が思春期を過ぎて時期がくれば話すようになるはず!という思いもあるでしょうが、今の関係としても、良い状態だとは言えません。
かといって、そうした会話の邪魔をするツールだからとスマホを排除するわけにもいきません。スマホと共存しつつ対面での会話をするための一層の努力が必要という事です。
スマホばかりで会話がない家族の特徴
スマホばかりで会話がない家族…様々なパターンがあるかと思います。どういった特徴があるのか、一例をあげてみました。
親も子もスマホばかりパターン
先の調査でも紹介しましたが、親もスマホばかりになりがちで、子供に接する時間が減っている傾向にあります。これでは子供に注意できるわけがありません。
子供は親の背中を見て育ちますので、スマホばかりになる事がダメだという意識さえなくなるのではないでしょうか。
こうなってしまうと、親子でスマホばかりになる事は必然です。親がスマホばかりの生活から抜け出さない限り、子供もスマホから離れられない生活が続くでしょう。
スマホの使用のルールがない
共に生活をするにあたり、家のルールを守らせることは全てにおいて必要な事です。自分の力で生活していないのですから、家にいる限り、家族としてそれは当たり前の事です。
そうした事が出来ていないと、子供は好き放題するでしょうし、もちろんスマホだって好きな時に使うようになるでしょう。
最低限、ご飯の時はスマホを触らない位のルールは守れるのではないでしょうか。それをするだけでも、食事時にちょっとした会話ができたりするはずです。
改めて会話する時間をとるというと難しくても、ご飯時位はせめて会話ができるよう、少しの事からでいいので改善すべきです。
スマホ以前に会話をしようとしていない
そもそも、会話がないのはスマホのせいでしょうか?会話がないのをスマホのせいにしていませんか?
会話がないというご家庭の中には、スマホ以前の問題だというご家庭も少なくありません。
親子の会話や家族、兄弟の会話がないからスマホを触る、という逆循環が起きている可能性もあります。
そもそも一緒にいる時間や顔を合わせる事がない
子供が大きくなるにつれて生活のリズムも変化し、各々が忙しくなってしまいます。中高生以上ともなると部活や塾等の時間があり、帰宅時間が遅くなりがちです。
会話をしやすい、顔を合わせやすい時間と言えば食事の時間ですが、一緒に食べることは難しくなってきてしまいます。とはいえ、それは成長の過程での生活リズムの変化なので、仕方のない事でもあります。
また、子供が自分の部屋がある家庭は、会話が少なくなりがちな傾向にあります。お互い家にいても自分の部屋にこもってしまい、同じ空間で過ごすことが少なくなると、必然的に会話することはできなくなってしまいます。