叱るというのは本当に難しい行為です。私も子供を叱りながら時々思ってしまいます。
この叱り方は合っているのか?自分は人を叱れるほどの人間なのか?でも、子供を叱るのも親の務めです。悪いことは悪いと教えてあげなければいけません。
とはいえ、子供を脅すような叱り方はいけません。叱り方によって子供に強迫観念を与えてしまったり、トラウマになってしまう子供もいます。わが子をそんな心がしんどい状態に追い込みたくないですよね。
そうならないためにはどうすれば良いか?一緒に考えていきましょう。
目次
やっていませんか?“責任転嫁する叱り方”
子供を叱ることは必要なことですが、責任転嫁する叱り方はいけません。
責任転嫁する叱り方?と言われても、どういったものなのかピンと来ない人もいるかもしれません。責任転嫁する叱り方とはどういうものでしょうか?
「○○に怒られるからやめなさい」
「そんな事したら○○に怒られるよ!」
そんなセリフを言ってしまったこと、ありませんか?私の周りにもそういう人、いました。そう、これが責任転嫁の叱り方なのです。
“叱る”という親の責任を誰かに転嫁する、自分が叱るという憎まれ役をせずに誰か別の人が怒るからやめなさいと言う、これが責任転嫁の叱り方、怒り方です。
気持ち的にはとてもよくわかります。誰でも憎まれ役は嫌なものです。でも、それをするのが親の務めなんですよね。
子供も親に叱られるという事が大事であって、それは近所の誰かや先生など他の人じゃ意味がない事なんですよね。その認識がない親がこの責任転嫁の叱り方、怒り方をしてしまうのだと思います。
また、自分の叱り方に自身がない親も“虎の威を借る狐”のように威力のある人の力を借りて叱りがちです。
「お父さんに怒ってもらうよ!」
「先生に言うよ!」
そんな事を言ったりしている人も多くいるんじゃないかと思います。とはいえ、それがどうしてダメなの?そう思う人もいるのではないでしょうか。
時にはそういう叱り方をしても悪くはないのでは?そんな考え方の人もいるかもしれません。次ではその問いについて考えてみたいと思います。
なぜ子供を脅す“責任転嫁する叱り方”がダメなのか?
責任転嫁する叱り方はどうしてダメなのでしょうか?そういう叱り方をすることによって子供に与える影響にどんな違いがあるのでしょうか?
ここでは責任転嫁の叱り方が子供に与える影響について考えてみます。
責任転嫁とは人に責任をなすりつけるという事です。親がそうして責任を放棄しているのを見て、子供はどう感じるでしょうか?
1. 子供に恐怖を与える
責任転嫁する叱り方をすると、ある意味自分よりも強いものを引き合いに出して叱る、もっと言うと脅すことになります。
子供にとって自分よりもより効果のある人、最強であり最恐の人を引き合いに出すのですから、子供に恐怖心を抱かせてある意味押さえ込むという事になります。
結局、そのような叱り方では子供の心に響いた分けれは無く、恐怖から子供を怯えさせて従わせているだけになってしまいます。そんなのは独裁政治と同じです。親子でそんな叱り方をして良いわけありませんよね。
2. 叱った人に対しての信頼がなくなる
子供に対して叱っているのは母親なのに、「お父さんに叱ってもらうよ」と言う母親に対して、子供が言うことを聞いたり反省したりするでしょうか。
また、子供は「どうして今ここにいないお父さんに叱られなきゃいけないの?知りもしないのに・・・」という気持ちを抱いても不思議ではありません。そうなってしまっては、両親ともに信頼を失墜させてしまうことになりかねません。
そうしていつも違う人に責任転嫁するような叱り方をしてしまうと、子供はそんな叱り方をする親を全然怖いとも思わないだろうし、尊敬や信用もなくしてしまうのではないでしょうか。
そうならないためにも、ちゃんと自分の言葉で叱るということが大切なのではないでしょうか。ある意味叱られるという事は、愛情の証でもあります。その愛情を他人に転嫁するようでは、きっと子供にも愛情が伝わらなくなってしまいます。
3. 叱られた内容に間違った解釈をする
例えば、お店で買い物に来て走り回る子供に「お店の人に怒られるからやめなさい」と叱ったとします。そうすると、子供はどういった捉え方をするでしょうか。
「お店の人に怒られるからやっちゃダメ」
↓
「お店の人が(見て)いなければやっていい」
そういう風に理解してしまう、それが子供です。そうでなくても人間誰でも自分の都合の良いように、楽なように解釈しがちです。
まして子供ですから、そう考えても仕方のない事です。だからこそ、それも踏まえて叱るということがとても大切になってくるわけです。
参考ハピママ
4. 人のせいにする人間になる
私の見解ではありますが、親がそうして人に転嫁するのを見て育つと、子供もそれを正しいと思って育つことになります。
子供にとって親はお手本であり、親の影響を大きく受けるのですから、当然ではないでしょうか。そう考えると、人のせいにする子供になってしまうという恐れが出てくるのも不思議はありません。
そうなってしまうと、自分がした悪い事も誰かのせいにしたり、努力をせずにできないのは何かのせいにするようになったり、性格形成の上でよくない影響が出てしまいます。
私も正直子供の頃は自分の母親の育児には不満を持っていましたし、自分が親になったらああはならない!と思ったりもしていましたが、実際やってみると、自分が育てられたように育てている自分がいる事に気づきます。
やはり子供は知らず知らずのうちに親の影響を意図せずとも受けて沢山受けて育っているのです。そしてそれは体に染み付いてしまうものです。この叱り方が子供の記憶に残るものだ、という自覚も親には必要だと言えるのではないでしょうか。
参考マイナビウーマン