子供から大人まで幅広い年齢層の人がスマホを持っている今の時代、安心・安全のためにも必要不可欠なものになりつつありますよね。
とはいえ、子供にスマホを持たせるとスマホばかり触るようになるのでは?と心配な親御さんも多いのではないかと思います。
そこで、子供をスマホ依存にさせないルール作りのポイントや、3つの方法を私の経験も踏まえてご紹介したいと思います。
目次
スマホ依存の危険性とは?
中学校入学はスマホを持つタイミングで最も多いのではないでしょうか?今や中学1年生の約6割がスマホを持つ時代です。とはいえ、まだまだ中学生。自分をコントロールできるまでには成長していませんよね。
スマホを持つ事で様々なトラブルへの懸念もありますが、中でも心配されているのが、スマホ依存に関する問題です。
1日のインターネット利用の平均時間に関する内閣府の調査結果では、
2016年(小学生)93.4分・(中学生)138.3分・(高校生)207.3分
2017年(小学生)97.3分・(中学生)148.7分・(高校生)213.8分
2018年(小学生)118.2分・(中学生)163.9分・(高校生)217.2分
参考資料:総務省
と年々利用時間が増加してきているのがわかります。
これがエスカレートしていくとスマホを片時も離せない、スマホなしでは生きていけないといった依存状態、いわゆる“スマホ依存”が心配されるようになってしまいます。
スマホ依存の症状
スマホ依存とはどういう症状なのでしょうか?
- スマホがないと不安で落ち着かない
- スマホにを触れないことにストレスを感じて仕事や勉強が手につかない
- スマホがない状態を我慢できない
こういった症状はスマホ依存になってしまっていると言えます。
こうなると、スマホが中心の生活となってしまい、心身ともに様々な障害を引き起こしてしまいます。
スマホの使いすぎによる健康被害が体や心の不調を引き起こします。
【体の不調】
◆スマホの影響による近視や老眼による視力の低下
◆同じ姿勢による肩や首、肘等への負担
◆長時間の使用による睡眠不足や睡眠の乱れ
◆やりすぎによる腱鞘炎等の指や肘への負担
◆生活の乱れによる体調不良や集中力の低下
【心の不調】
◆スマホがないと精神的に不安定になってしまう
◆SNSやゲーム等への参加に対する強迫観念
◆現実逃避や社会性、感受性の低下
◆攻撃性や凶暴性の増加
【その他のトラブル】
◆課金等による金銭トラブル
◆詐欺被害によるトラブル
◆歩きスマホによる事故
他にもスマホに依存することによって引き起こされる様々な危険が考えられます。
そういった危険を回避するためにも、けじめをつけてスマホを使用するための工夫が必要です。
次では、スマホ依存にならないために有効な方法をご紹介します。
親子で一緒にルールを作ろう!
スマホ依存にならないためにも、ルールを決めてスマホを使うようにする必要があります。
ルール作りをするにあたってこの3つの必須ポイントは外せません。
1. 親子で話し合って納得した上でルールを決める
ルールを決めるにあたって、親が勝手に決めたルールでは子供が不満に思い、ルールを守らないようになりかねません。
親子ともに意見を出し合い、双方が納得したルールを実行することが大切です。
2. スマホの使用内容のルール(年齢制限やロック、使用容量、使用アプリ等)を決める
子供用のスマホとして年齢制限をかけたりする事もできますが、それにより不自由さが生まれる事もあります。また、スマホのロックについても話をしておく必要があります。
子供のプライバシーも尊重しなければいけないとも思いますが、やはり子供のスマホを親が見られない状況も良くありません。
いつも見るわけではなくても、最低限ロック解除はできる状態(パスワードを共有する、認証システムに親も登録)にしておき、必要な際には見られるようにしておきましょう。
そうする事で子供がトラブルに巻き込まれた等の緊急時にも役立ちますし、SNSトラブルや詐欺等への関与の抑止力にもなります。子供と話し合い納得してもらい、ルールの中に加えることをお勧めします。
他にも使用容量等も確認したり、アプリをやみくもにダウンロードしたりしないよう、子供とスマホの使い方に関して話をする事も大切です。
3. スマホの使用時間のルール(1日の使用時間の制限)を決める
スマホ依存になりやすい原因としては、やはり使用時間の長さが関係していると言わざるを得ません。
「スマホを触りだすと止めることができない」「触り続けて気づけばやるべき事をせずに時間を費やしてしまった」といった事は、使用時間を制限するルールを決めることで歯止めをかける事ができます。
我が家でやっているスマホルール
スマホ依存を防ぐのに効果的な使用時間を制限するルールについて、私が実際にやっている方法も含め、3つのおすすめルールをご紹介します!
ルール1【やるべきことを先に済ませてから!スマホはご褒美ルール】
いつでも簡単にスマホを触れる状況を作ってしまうと、ずっとスマホを触り続ける状態に陥ってしまいます。スマホに触れるのは、ちゃんと宿題や勉強、お手伝い等やるべき事をすませてからにするというご褒美方式のルールです。
やるべき事を終えたご褒美としてスマホを触るというルールを徹底することで、メリハリのあるスマホ生活が送れます。また、やるべき事を先にやるようになるので、宿題もせずにスマホばかり・・・といった心配がなくなります。
うちはこのルールを採用していて、学校から帰宅後のやるべき事を挙げ、それをクリアしたらスマホOKとしています。
例えば、宿題、洗濯物たたみ、勉強ドリル何ページ、といった形で学校帰宅後のやるべき事をミッションのように決めています。それに加え食事やお風呂といった日常のやるべき事も済ませると、スマホタイムがゲットできる形です。
こうすることで毎日の生活リズムもある程度決まりますし、日々のお手伝いや勉強も積極的にやるようになってくれます。早く済ませればそれだけスマホを長く触れる!と効率もよくなります。
ルール2【1日のタイムスケジュールを決めるスマホタイムルール】
学校にも時間割があるように、日々の生活でもある程度のスケジュール管理ができるかと思います。それを活かして1日のタイムスケジュールを決めて、決まった時間にスマホを触るようにする方法です。
習い事等があれば曜日によってスケジュールも違ってくるとは思いますが、例えば寝る前の1時間はスマホタイム、ご飯までの時間をスマホタイムといった形で、そのご家庭にあったタイムスケジュールの中にスマホの時間を取るという形です。
1日のうちに決めた時間だけスマホを触るという形になりますので、やりすぎるという心配がないのがこのルールの良いところです。家族も何時から何時はスマホタイムだからOK、と認識しやすくなり、家族みんなの目でチェックができます。
ただ、その時間を心待ちにして他の事をおろそかにしては元も子もありません。1日のスマホの使用時間を制限するという点では良いとは思いますが、勉強や宿題、お手伝い等に関してはそちらはそちらでルールを決める必要があると思います。
夜に家族が寝た後長々とスマホを使用しないように、スマホは夜10時まで最終使用時刻を決めるご家庭も多いようです。
ルール3【スマホを親が管理する預かりルール】
ある意味最も確実な方法なのが、スマホ自体を親が管理し、家にいる間の使用を親が制限する方法です。それに伴い、スマホのロックは親も解除できるようにする、親が見ても良い、といったルールも合わせて決めておくと、ある程度子供のスマホ使用を把握する事ができます。
ありがちなのが、夜更かしして寝る時間も削ってダラダラとスマホを触ってしまうという事例です。これを防ぐには、夜寝る前に親が預かるのが一番です。親の手元にあればダラダラとスマホを触る事もありませんので、メリハリの利いた生活もできます。
また親もある程度子供のスマホの使い方を把握する事ができますので、危険なサイトや詐欺メール等の抑制にもなり、そういった意味でも安心です。
大切なのは、スマホと生活のバランスを考えること
スマホを触るなとは言いません。便利で楽しい物なのはわかっていますし、使い方次第では子供にとっても良いツールになります。大切なのは、ルールを作ってスマホによって生活が乱れるような使い方をさせないという事なのです。
生活の中でスマホが全て!100%!という偏った形にならないよう、他のやるべき事とスマホが生活や気持ちの中でバランス良くあるのが良い形だと言えます。
そうしたバランスを考える中で一番目に見えやすいのが、やはり使用時間になると思うので、スマホ依存にならないためにも先に紹介したようなルールである程度制限する事は必要です。
東北大学の川島教授によると、2時間の勉強が3時間のスマホでムダになるという調査結果も出ているのだそうです。せっかく勉強をしてもスマホを触ればその学習はムダになってしまい、何も勉強もしないがスマホも触らない子の方が良い結果となったというから衝撃です。
こうした結果にはスマホが引き起こす睡眠不足にも原因があるそうです。睡眠を削ってスマホを使用するシーンが多くなってしまう事も学力低下に繋がっています。
この様に生活にも学力にも支障をきたすスマホ。ルール作りをする事でスマホと生活の良いバランスを保ち、上手に利用していくことが大切です。
スマホとの付き合い方について一度話し合ってみよう
スマホはとても手軽で身近な便利ツールとして今やほとんどの人が保有している時代です。10代、20台では約9割が保有しているという結果が出ています。その中でも若い世代はゲームや動画での利用が多く、どうしても長時間化してしまう傾向にあります。
そうした長時間利用がやがてスマホ依存となり、根の深い問題となってしまうのです。そうなる前にまずはルールを決めて、時間を決めて、スマホを止められる環境と精神を作る事がスマホ依存を防止する上で効果的です。
スマホというせっかくの便利で楽しめるアイテムを親子ともに楽しく気持ち良く利用できるように、ご家庭に合ったルールを作りましょう。そうすることで、スマホ依存の心配は無用ですし、きっと学力向上や生活リズムの向上など他にも良い影響が期待できるのではないかと思います。