どんなに気を付けていても容赦なく突然やってくる体調不良。
体の不調は病院で治療するのが一番ではありますが、病院の営業時間外であったりで病院に行く時間がないなど、何時でも病院に行けない現代人には多少の体調不良は自力でなんとかしたいですよね。
そこで今回は、誰もが1度は経験したことのある喉の痛みについて、医療関係者でなくてもできる対処法をご紹介したいと思います。
目次
喉の痛みは大きく分けて2種類!
対処法を紹介する前に、のどの痛みには種類があることをご存知ですか?
大きく分けて2種類ののどの痛みを正しく判断できないと、せっかく対処法を実践したのに全く効果がないなんてことになります。
1. 炎症
まず、多くの喉の痛みは炎症によるものです。炎症とは、体が感染等を起こして免疫がそれに反応している状態です。
体が必死に戦っている状態ですので、炎症が起きなくても困りますが炎症によって起きる痛みに悩まされるのも確かです。
炎症は、「炎症の5徴候」というものが定義されており、医師もそれに準じて診断しています。
内容を簡単に説明すると、
- その部分が痛む
- その部分が赤くなっている
- その部分が腫れている
- その部分または全身が発熱している
- その部分が本来の働きを満たしていない
というもので、例えば喉が痛み飲み込む動作が行いにくく熱があり、鏡で喉を見たら赤く腫れているとなるとそれは炎症です。
2. 乾燥
そして、何も見た目に変化がなく痛みだけがあるというのは乾燥による痛みです。
乾燥でなぜ喉が痛むのかというと、喉を構成している細胞がポイントです。喉の細胞は口腔内の細胞と同じ。粘膜を形成する専用の細胞でできています。
一定の水分がないとこの細胞は生きていけません。なので乾燥することによって細胞が死んでいくのです。それを脳に端的にかつ素早く伝えようとした結果が喉の痛みになるのです。
どちらにせよ、痛みは早く取り除きたいもの。痛みの種類が解ったら早めに対処していきましょう。
【炎症】が起きている時の対処法
炎症はほとんどの場合が感染によるものです。そんな炎症に打ち勝つ対処法はこちら。
薬剤によるうがい
最も解りやすくかつ効果が比較的短期間で現れるのが薬剤を使用したうがいです。特に処方薬にもなっているイソジンうがい薬はとてもおすすめ。
医療用の消毒薬にも使用されているヨウ素が含まれており消毒作用で炎症の原因となっている菌を排除できます。
ちなみにヨウ素系の消毒薬は人体に対して使用する専用のものです。つまり人体には無害。薬局でも売っていますし、コップ1杯の水に1~2滴混ぜたものでうがいをするだけなので簡単にできるのもいいですね。
冷却
炎症が起こった際の看護として看護師さんの教科書にも載っている冷却。痛みのある部分を冷やすことですが、ここで注意が必要なのは首を冷やさないこと。
痛めているのは喉であり、首ではないためいくら外から首元に保冷材を巻いて冷やしても喉には何も起きていません。発熱に対してなら効果的ですが、喉の痛みに対しては冷やした水を口に含んでください。
氷でもいいですが、人によっては冷やしすぎてしまったり冷えることで声が出にくくなることもあります。お勧めは冷蔵庫で冷やした水を口に含み、なるべく奥の方で冷たいと感じなくなるまでくわえておくこと。そのあとの水は吐き出しても飲み込んでも構いません。
ただし、効果としては持続せず応急措置のようなものであるためどうしても今痛みをどうにかしたいときなどにおすすめです。
薬用トローチ
薬局などで売っている薬用トローチを舐めておくのもおすすめです。成分に多少の違いがあるため、自分に合ったよく効く成分配合の商品を知っておくのが一番重要なポイント。
そしてもう一つ重要なのが、最後まで噛まずに舐めておくこと。トローチは唾液に成分を混ぜ、それを持続的に喉の粘膜に触れさせることで効果を得るものです。
トローチの硬さは実は薬用成分をどのくらいの時間喉粘膜にふれさせるかを計算して作られていますので、途中で噛んだりして早く消費してしまうと効果が薄まりますので注意!
炎症の予防法
ここまでは対処法を紹介しましたが、そもそも痛くならなければいいのに!と誰もが考えると思います。では、炎症の予防法には何が効果的なのでしょうか。
それはうがい・手洗いです。小さいときからよく手洗いうがいしなさい!なんて怒られていた方もいるんじゃないでしょうか。
もちろん帰宅時の手洗い・うがいも効果的ですがもう1度うがいをしておけば喉の痛みや風邪の予防に効果があるとされているタイミングがあります。それは起床時。寝起きの口の中は雑菌が寝ている間に繁殖しており、その数は大便10gに相当するといわれています。
そんな口のまま朝ごはんを食べたり水を飲んだりしていると雑菌を体内に入れることになってしまいます。雑菌達にはうがいで体の外に出てもらいましょう!
【乾燥】している時の対処法と予防法
では、次に乾燥についての対処法を説明します。これで冬も怖くないですね。
水分摂取
乾いているなら水分を取りましょう。ですがここにも効果的に水分を取るポイントがあります。まずは一気飲みをしないこと。
水分はすぐに消化管に落ちてしまうので他の食べ物よりも吸収しにくくなっています。体が吸収してくれないと水分摂取の意味がないので、一口ずつゆっくりと接種するのがコツです。目安としてはコップ1杯を30分以上かけて飲むつもりでいましょう。
また、飲み物の温度も重要です。喉には繊毛と言われる細かい毛が生えており、痰を出す働きをしていますが、乾燥による痛みの原因には繊毛が動きにくい環境になっていることも含まれています。
繊毛が動きやすい環境を水分摂取と同時に作り出すことで痛みを解消しやすくなるのですが、その環境とは適度に湿っていることと、温かいことの2つの条件をクリアした環境です。
そこで、水分摂取の際に温かいものを飲むとひとつの行動で二つの条件をクリアすることができます。どこでも簡単に出来る方法ですからとても助かりますよね。
入浴、サウナ
もう夜だし早く寝たいのに水分なんてめんどくさい。そんな貴方にはお風呂に入るか、少しいつもより長めのシャワーをお勧めします。
喉の出入り口は何も口だけではありません。鼻から吸い込む空気にいつもより水分が含まれていれば呼吸をするだけで喉に水分を与えることができます。換気扇を止めて、深く深呼吸しながらお風呂を楽しむだけですので何も手間はいりません。
注意するのは体を温めすぎないこと。体温が上昇すると、乾燥している喉に付いた菌に対して炎症が起きやすくなります。30分以上は入らないようにきをつけて。
乾燥の予防法
さて、対処法はわかりましたが乾燥なんて炎症よりも避けるべき対象が大きなスケールなのにどうやって予防すればいいのでしょうか。
それは空気中の水分を増やせば、つまり加湿すればいいのです。ですが加湿器を買うなんて面倒だしそんなお金はない!なんて人も多いのではないでしょうか。
そんな人におすすめなのが室内干しです。家のカーテンレールに洗濯したタオルをハンガーにかけて、1日干しておきましょう。
昔、テレビやネットで簡単加湿法として濡れたタオルを振り回すのが流行りましたが、振り回さなくてもいいのです。洗濯ものも乾きますし加湿もできますので一石二鳥ですね。
人を選ぶ予防・対処法
一般的に効果的であるとされている対処法が効かなかったことはありませんか?どうして効かなかったのか、また自分に効かない方法は何かを知りたくないですか?
ここでは人によっては効かないこともある対処法をご紹介します。それぞれどんな人に効かないかを把握すれば逆に自分にピッタリの対処法を探しやすいかも。
のど飴
のど飴は食品ですので、含まれている薬用成分はほとんどが漢方に含まれている成分ですので、漢方薬が効きにくい方にはお勧めできません。
また、成分によって効かないなんてこともありますので漢方薬がよく効くからといっても注意が必要。のど飴で効果があった人はなるべく同じ成分や同じ製品を使うように心がけるといいでしょう。
はちみつ
はちみつは喉に優しいとよく聞きますが、量や摂取方法を間違えると逆効果です。はちみつは糖分を豊富に含んでいるので、胃で消化するために薄める必要があり、そのために唾液が多量に使用されます。
そのため、水分を摂取しながらでないと本来のコーティング力を期待できなくなります。ちゃんと十分な水分をとれない状況ではあまりお勧めできません。
喉保湿用マスク
10年ほど前からある、保湿用の濡れたフィルターをセットするタイプのマスク。睡眠時に保湿できると評判ですが、試そうと思っているひとはちょっと待って!
今晩、普通のマスクをして寝てみてください。いつの間にか外してしまっているようであれば保湿マスクの使用は向いていません。
睡眠時は人間が一番本能に近い状態で過ごす時間です。息苦しいと感じて外してしまうようであれば、そもそも装着できていませんので意味がありません。どうしても使用したい場合は昼間に使用することをおすすめします。
喉に違和感を感じたら早めにケアを
喉の痛みには
- 炎症の場合は冷やして消毒!
- 乾燥の場合は温めて保湿!
- 予防・対処法は自分に合ったものを的確に!
以上が重要な点となります。冬になるとインフルエンザも流行ってきますので体に気を付けて過ごしてもらえたらと思います。